2024年、医師の未来を考える

遠隔医療や人工知能など様々なテクノロジーが当たり前になる未来、医療の現場はどのように変わっていて医師はどのようなキャリアや働き方をするのだろう。未来の医療を予測するのでなく「予報」していきたいと思います!

2017年7月14日、遠隔診療の新たな通知が発出!適切な遠隔診療の推進とは?

未来の医療として、遠隔診療があるとは思いませんか?

 

遠隔診療はPCやスマホの画面を通して、直接会うことができない患者さんとリアルタイムにつながって診察することができる診療スタイルです。

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元々遠隔診療は1997年(平成9年)に厚生労働省から通知が出て、直接会わなくても診察をしていいとされました。その後、その1997年(平成9年)の通知が2003年(平成15年)・2011年(平成23年)と改正されていました。

 

このような遠隔診療の変遷の中、2015年8月10日に医療業界で「遠隔診療が解禁された!」というニュースが踊りました。

「遠隔診療が解禁」という言葉だけ一人歩きをしていて、正しく解釈をされていない場合があるのでしっかり話をしたいと思います。

 

元々遠隔診療は1997年からしてもよく、しかし通知には「例示」と言うものも書かれていたため、通知に書かれていた疾患でしか遠隔診療はできないと考えられていました。

これが2015年8月に出た事務連絡では今までの遠隔診療についての考え方を「明確化」しただけのものだったのですが、「遠隔診療は例示のものに限らない」とも書かれていて、ここから「遠隔診療が例示以外のいろいろな疾患でもできる⇒解禁」というニュースとなったのでした。 

>遠隔診療の通知で挙げられていた例示

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またここで再度、遠隔診療のスタンスとして、「遠隔診療は対面診療補うもの」とされており、遠隔診療は通常行っている外来診療や在宅診療では解決できていない診療の弱点を補うものとして捉えられています。

 

その後、遠隔診療に関しては、2016年3月の医事課長からの回答、2017年3月の規制改革推進会議 投資等WGでの厚労省側からの発言を踏まえた2017年5月の規制改革推進会議 第1次答申での記述などから、再度遠隔診療の明確化として通知が発出されることとされていました。

 

そしてその新しい通知が2017年7月14日に発出されました。

 

内容としては、また「今までの明確化」なのですが

 

1 離島へき地以外でも遠隔診療可能なこと

2 今までの遠隔診療を実施するものの例示以外でも遠隔診療可能なこと

 

という今までにも書かれていたことに加えて、

 

3 「保険者が実施する禁煙外来」に関しては柔軟に取り扱っても直ちに医師法違反ではないこと、直接の対面診療が結果的に行われなくても医師法違反にならないこと

4 電子メールなどであっても患者の心身への有用な情報が得られれば直ちに医師法違反ではないこと

 

という新しい明確化の内容も書かれていました。

 

>3「保険者が実施する禁煙外来」の記述f:id:HiroakiKato:20170718105630p:plain

 

自分は遠隔医療学会の人間なので、広くは遠隔診療の推進と言う立場をとっているのですが、何でもかんでも対面診療が遠隔診療に置き換えるというのは危険と考えています。

医療の質として遠隔診療と対面診療では明らかに対面診療のほうが質が高いのは現状では事実ですし、あくまでもそのときに患者さんの有用な情報が得られている場合に遠隔診療は行うものだと考えています。
 

今回の新たな通知では「禁煙治療」と言うところがだけが初診から完全遠隔診療でもいいと言うことですか、他の疾患にも今後行えるという解釈は出てくると思っています。

 

一部のクリニックでは「薬を配送する」ということ目的としているような遠隔診療クリニックが出てきていて心配しています。

なかなか通院できない患者さんの重症化を予防する、医療との接点を増やすという意味での遠隔診療はいいと思うのですが、東京から北海道や九州の人にAGAの薬やバイアグラを処方するという遠隔診療の使い方は個人的にはどうなのかと思っています。

 

今回の通知でまた遠隔診療の話題が出ると思うのですが、未来の医療のために適切に遠隔診療が推進されることを望んでいます。