ヘルスケアビジネスの新戦略 ~加藤浩晃の頭の中~

未来の医療はどうになっていくのか、そして医師の未来はどうなるのか。AIやIoTなどの第4次産業革命のテクノロジーによって医療現場は『医療4.0』として大きく変わります。加藤浩晃が未来に向けて考えていることを書くブログです。

【論文】 田舎と都会の家庭医における遠隔診療の利用状況は?(Telemed J E Health. 2017 Aug 14)

遠隔診療に関する法整備など基本的な話は今までもこのブログでしていたんですが、

論文ベースの学術的な話って全くできていなかったなぁと思い、今回からブログで遠隔診療に関する最新論文に関してもコメントしていこうと思います!


医師は医学論文を探そうとすると「Pubmed」ってサイトでキーワードを入れて論文を探すのですが、せっかくなので「2017年8月1日~本日まで」の約1ヶ月で検索をしてみました!

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 検索結果は・・・「138件」

 

 

この中から選んだ今日の論文はこれです!

Rural Family Physicians Are Twice as Likely to Use Telehealth as Urban Family Physicians.

(Jetty A et al:Telemed J E Health. 2017 Aug 14)

 

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遠隔診療をする場面の話として、「都会」か「田舎」かと分類して話すことがあります。

 

「都会」では主に仕事に忙しいビジネスマンが対象で、通院が大変なのでその負担を減らすために遠隔診療を使うというイメージです。

一方「田舎」ではそもそも病院やクリニックなどの医療機関が遠かったり、通院時間がかかったりすることを解決するために遠隔診療が行われているというイメージです。

今回の論文では、アメリカにおける田舎と都会の家庭医の遠隔医療の利用に対する認識や使用頻度について評価をしています。 調査は5000名の家庭医を無作為サンプリングして行われていました。

<今回の論文の結果>

・アンケート実施は5000名の家庭医のうち31.3%。83%が都会で17%が田舎だった。

・田舎の家庭医は都会の家庭医と比較して遠隔診療を使用する可能性が2倍(22%対10%)

・田舎の家庭医は患者を専門の医師につなげる使い方をしていることが多かった。

・田舎の家庭医は診療の責任問題のために遠隔診療を行わないということは少ない

 

 <今回のまとめ>

遠隔診療は地方の患者さんが地元を離れずに専門家の診察を受けることも可能な診察方法です。

地方の医師にとっても、専門の医師が遠隔診療によって地方の患者さんを診察する場面を見ることで、今までは専門の医師に直接会わないと学べなかった「専門的な診察やその診察の考え方」を学べるいい機会になると思います!

 

 

今日取り上げた論文に興味を持った人はこちらから

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28805545