ヘルスケアビジネスの新戦略 ~加藤浩晃の頭の中~

未来の医療はどうになっていくのか、そして医師の未来はどうなるのか。AIやIoTなどの第4次産業革命のテクノロジーによって医療現場は『医療4.0』として大きく変わります。加藤浩晃が未来に向けて考えていることを書くブログです。

今年も慶応医学部主催「健康医療ベンチャー大賞」の2次審査審査員をしました!

今日は慶應大学医学部主催の「第4回 健康医療ベンチャー大賞」の2次審査の審査員をさせてもらいました!


コミュニティが違うのか、それとも大学主催のベンチャー大賞だからなのか、普段では出会わないベンチャーから面白いピッチが聞けるので楽しみにしているイベントです。

自分は去年に引き続き、学生部門・社会人(ビジネス)部門と別れた中の、社会人(ビジネス)部門の2次審査の審査員をさせてもらいました!

2次審査では決勝に進む3組を選んでいます。

毎年レベルが上がってきているなと感じますし、なにより今回は審査できなかったけど学生部門が面白いアイデアを出してきているみたい。

ベンチャーは枠をはみ出して発想する必要があると、自分にも再認識させてもらう時間でした!!


「ヘルスケアビジネス研究会」が面白くなっています!!

「ヘルスケアビジネス研究会」のメンバーの医学生、洲脇くんがインタビューされた記事が公開されました!!

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医学生発のヘルステック事業とヘルスケアビジネス研究会の出会い - CANARY https://lounge.dmm.com/canary/25620/

「ヘルスケアビジネス研究会」は自分が2年前から始めている、医療やヘルスケアの課題をビジネスの切り口で解決する仲間が集まるオンラインの研究会です。

人の集まる場として、自分としてはめちゃくちゃ面白くなってきています!

lounge.dmm.com


今回、サロンメンバーの成功事例のインタビューということで、自分もインタビューに誘われたので着いていったらまあまあ話してしまっていました(^_^;)


単純に、自分のアドバイスが役に立ってうまくいっているのはうれしいし、
紹介がきっかけで新しくプロジェクトが始まっているのを見るのもめちゃくちゃうれしい。

洲脇君だけでなく今後も未来の医療をよくしようとしている人はめちゃくちゃ応援したいし、やれる範囲で協力したいと思っています!!

自分も、もっと色々と挑戦していこう!!

日本で承認されている2つのAI医療機器についてまとめてみた!

こんにちは、加藤浩晃です。

今日は各所から、国内2例目のAI医療機器として承認されたエルピクセル社の「医用画像解析ソフトウェア EIRL aneurysm(エイル アニュリズム)」についてめっちゃ質問をもらう一日でした・・。

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それもこれも10月14日(月)に日経新聞で下記の記事が出たからなんですが、
 

www.nikkei.com

 

そもそもこの「EIRL aneurysm(エイル アニュリズム)」って、9月17日に医療機器として承認されたもので、もう1か月前の話なんですよね・・・
 

ニュースで正確でない情報が出てきているし、明日以降問い合わせが来たら「ブログにまとめましたので、そちらを見てください!」って返事ができるように、『日本のAI医療機器の承認の現状』について話をまとめようと思います。


1.日本初のAI医療機器の承認

まずAI医療機器として日本で初めて承認がされたのは、記念すべき2018年12月6日で、サイバネットシステム株式会社の「内視鏡画像診断支援ソフトウェア EndoBRAIN」です。

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医療機器にはリスクに応じて、リスクの低い「クラスⅠ」からリスクの高い「クラスⅣ」まで4段階に分類されているんですが、「EndoBRAIN」はクラスⅢです。

今までの医療機器の分類で当てはまるものがなかったので、新しく「疾患鑑別用内視鏡画像診断支援プログラム」という医療機器の分類(一般的名称)が新設されました。


ちょっとマニアックな話をすると、この画像診断支援プログラムは医療機器の国際分類GHTFルールで10-④の例外(b)“即座に危険となる臨床状態にある患者を診断するように意図した場合はクラスIIIである“に該当するとされたためクラスⅢとなっています。

「EndoBRAIN」は日本で初めて診断支援をするAI医療機器として承認がされ、医療機器の分類(一般的名称)も新設するという偉業を成し遂げているのです。



また、医療機器を販売するときには責任主体となる企業を決める必要があり、わかりにくい呼び方なのですが、その販売の責任者となる企業を「製造販売業」と言います。

「EndoBRAIN」の場合はサイバネットシステム株式会社が製造や、医療機器の承認の審査機関であるPMDAに申請をしているのですが、販売はオリンパスから行い、製造販売としての責任主体はオリンパスがするようなので、「オリンパスのEndoBRAIN」とも言われたりします。

 

(これもまた少しマニアックな話になるのですが、クラスⅢの医療機器の販売責任となろうとすると、第1種医療機器製造販売業という許可を受ける必要があります。クラスⅡだと第2種だけでよく、クラスⅠだけだと第3種製造販売業で可能です。)


ただ、承認まで頑張ったのは紛れもなくサイバネットシステム株式会社で、道なき道を切り開いて本当に偉大なことです。


2.今回のAI医療機器は国内初?2例目??


ここで、AI医療機器の2例目として今回のエルピクセル株式会社の「EIRL aneurysm(エイル アニュリズム)」なのですが、
「国内初」と書かれていたりすることもあるので、そこについて説明をしていきます。

AI医療機器として国内初は紛れもなく「EndoBRAIN」なのですが、実はEndoBRAINはAI開発で今よく聞く「ディープラーニング」で作っているわけではないんです。

EndoBRAINは「サポートベクターマシン」という手法(わからないとググってもらうほうがいいです)で作っているため、「ディープラーニング」ではないんです。

そのため「ディープラーニングで開発されたAI医療機器」として日本初なのはエルピクセルの「EIRL aneurysm」になります。
(ここら辺が結構ごちゃまぜに本日質問されたりしました・・)

ただ、今回のエルピクセル社の「EIRL aneurysm(エイル アニュリズム)」は医療機器の分類の大きな枠としては「MR装置ワークステーション用プログラム」というもので、EndoBRAINのような「〇〇画像診断支援プログラム」ではありません。

ではこのMR装置ワークステーションプログラムというのは何かと言うと、「MRIの画像を撮ったときに、わかりやすく画像を加工して表示するプログラム」です。

例えばMRIの画像のノイズ低減をしたり、fMRIだと脳の血液量や血流量など灌流分析して画面にカラーで表示ができたりする感じで、その脳画像を見る放射線科医や脳外科医によりわかりやくす表示してくれるんですね。

「MR装置ワークステーション用プログラム」は医療機器のリスク分類でいうとクラスⅡなので、普通はPMDAに承認申請するのではなく、PMDAが外部に委託した機関で医療機器を「認証」することで医療機器にすることができます。

クラスⅡの多くは医療機器を判断する際の基準(認証基準:3-888: 核医学装置ワークステーション用プログラム等基準)が決まっているため、それに合わせるだけでいいんです。


ただ、今回は通常のクラスⅡの医療機器に、AIでの脳動脈瘤の発見という+αが機能としてあるために、通常だと承認ではなく「認証」で済む医療機器の分類なのですが、「PMDAに承認申請」が必要なものになったのだと考えられます。

エルピクセルの製品としては、2018年10月16日に同じような汎用画像診断装置ワークステーション用プログラムとして「医用画像解析ソフトウェア EIRL basic」を出していますが、これはクラスⅡで他に特記すべき差がなかったのか「認証」で医療機器として認可されています。

 


3.まとめ

以上のことを今日は聞かれる一日だったので、このブログで整理をさせてもらいました。
(本当はもっとマニアックな話が色々とあるんですが、、、それは会ったときに話しましょう!!)

医療AIの研究開発が大学や企業で盛んになってきていて、いい成果も上がってきていますが、なかなか医療制度がわかりにくく医療現場で実際に使えるものとなるまでにハードルがあるのが現状です。

先行事例の情報を共有することで、どうやったら医療現場に届く医療機器となるのか多くの人に知ってもらえたらうれしいです!!


あと、まだ2つの医療機器とも保険適用とはなっていないので、「国内初の保険適用のAI医療機器」がどうなるかというのも引き続き楽しみにしています!!

アイリスで東京医科歯科大学と単位認定型インターンシップを実施しました!! 

今日はぜひお伝えしたいことがっ!!

調べた限り医学部教育としては日本初!!

東京医科歯科大学の必修の授業の一環で、自分が経営しているアイリス株式会社(AI医療機器開発ベンチャー)でのインターンが、大学医学部の単位認定されることになりました!!

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医療AIベンチャーのアイリス株式会社が単位認定型インターンシップ制度を東京医科歯科大学と実施 
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000035813.html


これはベンチャーを知ってもらいたいと、自分が医科歯科大学と話を進めていたもので、医学生のキャリア教育として理解されて、日中3か月・フルタイムのインターンが実施できました!!

今年は1名だけでしたが、これを前例にして来年は医科歯科からはさらに多数、そして他の大学医学部からも大学の授業の一環としてインターンを受け入れられるようにします!

NewsPicksアカデミア&メディカルネット&一橋大学院

 
久しぶりの近況報告の投稿です!最近、眼科臨床、アイリス株式会社でのAI医療機器開発、5つの大学の教員に加えて、大きく3つの活動をしています!!

1.News Picksアカデミアに登場!
 
経済メディアNews Picksの動画サービス「News Picksアカデミア」で『医療4.0 ヘルステック時代の医療革命』というヘルステック(ヘルスケア×テクノロジー)の動画を担当させてもらいました!

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医療4.0 ヘルステック時代の医療革命


 
医療者以外の人にも、これからの医療の変化を伝える機会はありがたいので、積極的に非医療領域に向けても登壇をしていこうと思っています!

 
2.メディカルネットの社外取締役に就任!
 
上場会社のメディカルネット株式会社の社外取締役に就任しました!上場企業の社外取締役としてはMRT株式会社に続いて2社目です!!

www.medical-net.com


メディカルネットは歯科領域を中心としたメディアプラットフォームや医療機関経営支援の事業をしている会社で、歯科医療業界全体をつなぐハブとなるような戦略を進めています!
  
社外取締役として、自分の持っている医療現場やヘルステックなどの知見を全力で共有して、会社の発展に貢献したいと思っています!
 

3.一橋大学大学院のファイナンスMBAに入学!
 
実は今年の4月から一橋大学大学院のファイナンス専門のMBA(金融戦略・経営財務プログラム)に入学しています!
 

www.fs.hub.hit-u.ac.jp

 
上場企業の社外取締役やインフルエンザAI診断支援医療機器のアイリス株式会社の経営を通して、ファイナンスの知識の必要性を強く実感していました。
昨年の秋に入試を受けて、後期試験の5人になんとか合格して、同級生としては35人くらい。今までのキャリアで交流しなかった銀行系や投資側の人ばかりとお互いの顔が見える関係で交流できるのが新しい世界で、とても楽しいです!
 
日本の医療ベンチャーのエコシステムを形成するために必要なことの一つとして、適切なファイナンス戦略があると思っているので、学んだことやネットワークは医療業界に還元できるようにしたいと考えています!!


以上大きく3つですが、その他にも色々とワクワクすることをやっていますし、
まだまだ色々な領域でワクワクしながらチャレンジし続けていこうと思っています!
 
面白そうなことは声掛けしてもらったらフットワーク軽くいこうと思っているのでぜひ!!
引き続きよろしくお願いいたします!!

厚労省時代にやった「医療系ベンチャー育成支援プログラム」がだんだん大きくなってる!!

今日は厚生労働省の「ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット2019」の出展者説明会に来てます!



説明会を聞いていたら、自分が厚生労働省時代に立案した「医療系ベンチャー育成支援プログラム」の話が!!

hiroakikato.hatenablog.jp


上記のブログでの画像を見てもらってもわかると思うんですが、最初1/8サイズくらいの資料だったのが、今回の発表スライドでは1ページ全部でクローズアップされています!!

こうやって厚労省でやっていた政策が花開いていくのはうれしいですね!! 


 

佐山ゼミ課外学習!~甲子園編~

今日は一橋大学大学院ファイナンスMBAの佐山ゼミの課外学習で、甲子園球場阪神巨人戦を見に行ってきました!

関西に10年住んでいたにもかかわらず、初甲子園!!
(もちろん今回は東京から行きました)


前提を飛ばして書き出してしまいましたが、今、佐山先生の一橋のゼミにも所属しています。

hiroakikato.hatenablog.jp


ということで甲子園の話に戻ると、晴れているなと思っていたら、いつのまにか開始前から大雨に・・



と、雨宿りをして待っているところに、佐山先生登場!
そして、参加者全員に阪神タイガースのユニフォームの支給がっ!!!


で、1時間遅れで試合は開始。六甲おろしも大熱唱をして楽しい時間を過ごしました!!




ビールも5杯くらい飲んで、すべて佐山先生のおごりという大満喫な時間でした!


そして試合終了後は、元阪神のピッチャーの中込選手の焼肉屋さんに!!


来年も開催して頂けるとのことで、とても楽しみです!!