2024年、医師の未来を考える

遠隔医療やAIなど様々なテクノロジーが当たり前になる未来、医師はどのようなキャリアや働き方をするのだろう。                     2024年の医師の生き方を勝手に先取り&模索した記録です。

眼科未来『予報』。人工知能がある医療現場の未来とは?

 

今週末はお茶の水のソラシティで行われた眼科の勉強会で、人工知能のセッションに呼ばれて講演をさせて頂きました!

「第2回 眼科・形成外科仮想ライブサージェリー&セミナー」という勉強会です。

(注:ポスターには遊び心がありますが、全国から開業医を中心にバリバリの眼科医が集まっているとても活発な刺激的な会です!)

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会場となったソラシティは客員教授をしているデジタルハリウッド大学院があるところで、場所としては思いっきりホームなのですが、足を踏み入れたことのなかった2階のカンファレンスセンターが講演会場でした。

今回の勉強会の企画の先生から気軽な感じで講演してって言われてOKしたものの、
会場に行ってみたら600人まで入る大会場で、まさに聞いてないよといった感じのサイズ感で多くの先生方が全国から来られていました!

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(講演の開始前。でかいスクリーンが2つもあってそのサイズ感を推し量れると思います。)

今回の講演のタイトルとしては

「眼科未来予報 ~人工知能のある未来の眼科医療~」

ということでシャレたタイトルで話をさせてもらったのですが、

こだわったのが未来予測ではなく未来『予報』というところです。

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そして「未来」というワードも曲者で、20年や50年先の話をするのではなく、

参加されている方もきっと今のままバリバリ生活をしている

5年後の2022年くらいの話をしてきました!

 

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そして、スライドにも書いたのですが、その未来「予報」は国の検討会などの公開資料を見ればわかりますよと。


自分が厚生労働省にいたときも検討会の事務局をしたりしたのですが、

国が検討会をやるとなると、日本中からその分野の専門家をとても豪華に呼び集めて、

企業がそれだけの専門家を集めたらコンサルタント代にどれだけ費用がかかるんだ!

という英知が結集されているのが検討会とか審議会の資料なので、これを利用しない手はありません。

今回は今年6月にまとまった

「健康医療分野におけるAI活用推進懇談会 報告書」

を中心に、各省庁のAI検討会資料を参考にしながら講演をさせて頂きました。


今回の講演のメインのスライドがこのロードマップです!!

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これを見ると、ざっくり医療分野では左の方に書かれている6分野で人工知能の活用が考えられています!
「ゲノム医療」「画像診断支援」「診断・治療支援」「医薬品開発」「介護・認知症」「手術支援」の6分野です。
そしてスライドの上にはそれぞれの期間の目安が書かれています。

これを見ればわかるように、AIを活用した「診断・治療支援」では
2022年頃には「頻度の高い疾患」だけでなく「比較的まれな疾患」まで実用化がされます。

AIを活用した「診断・治療支援」というのは、診察時に医師が患者の症状や所見などのキーワードを入力すると、AIが候補疾患名を打ち返すプログラムというイメージでいいかと思います。

また、AIを活用した「画像診断支援」に関しても2022年には開発がされています。

特に眼科では画像診断が多く行われているので、この部分をピックアップすると次のスライドです。

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ということで、眼底写真だけでなく、OCT画像や前眼部写真も

AIを活用した「画像診断支援」の対象となっており、

今後学会を中心にデータベース構築をすることの必要性が求められています。

そして、AIできる医療画像の自動診断はダブルチェックのために使われて、見落とし率の低下をねらっています。

 

今回の講演のメインは紛れもなくロードマップで、

人工知能はこのロードマップに従って、段階を踏んで必ず医療現場に入っていきます。

医療現場で働いている方にこそ、このような未来予報を知ってもらって、

一緒に将来の医療の形や医師の働き方を考えたいと思っています。

7月29日の朝日新聞に遠隔診療のコメントを掲載して頂きました。

 

遠隔診療の正しい啓発と適正推進のために、出来る限りメディアには協力をさせて頂いています。

 

「遠隔医療」や「遠隔診療」ってググると、色々な記事が書かれていて、

それを当然読まれてからメディアの方も問い合わせいただくのですが、

前提で読まれたウェブの記事が間違っていたりして、最初から説明させて頂くことも多いです。

今週、「その記事の内容が間違っているんですよ」って何回言ったものか。。。

前置きが長くなってしまったのですが、7月29日の朝日新聞で遠隔診療の特集をしてくださり、コメントを取り上げて頂きました。

 

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自分がコメントしたところは以下の部分です。

ただ、普及の一方で、「遠隔診療は、あくまでも対面診療の補完だという原則が置き去りにされているような場面がある」と関連学会で遠隔診療のモデル研究会を率いる京都府医大の加藤浩晃特任助教(36)は懸念する。実際、ルールの範囲内だが、処方薬のネット販売が目的かのような遠隔診療に特化した診療所も登場している。
 「ただ、対面診療だけでは医療を受ける機会が限られる人がいるのは事実。遠隔診療は、そこを解決するために医師が持つ新しい『引き出し』の一つだという理解が正しく広まればいいのですが」と加藤さん。

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引き続きこのようにメディアで機会をもらえたら、適正な遠隔診療の推進のため積極的に発言していこうと思っています。

 

今回は朝日新聞の方、本当にありがとうございました!!

耳鼻科でできる遠隔診療とは? 仲良しの耳鼻科専門医とLINEで議論した!

先日、仲良しの耳鼻科専門医と耳鼻科でできる遠隔診療について議論をしました。

遠隔診療の本題に移る前にまず、自分は遠隔診療の話の前提として3つの共通理解が必要だと思っています。

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ざっくり言うと、遠隔診療と対面診療とどっちがいいとかって話はナンセンスで、

当然医療の質としては現時点ではもちろん対面診療がいい。

 

ただし遠隔診療は、現在の対面診療だけの外来診療のスタイルで弱かった、

・遠方でなかなか来れない患者さん
・仕事が忙しくて自己中断する患者さん

などに対して、医療との接点を作れるので重症化予防になるという点で価値がある

と思っています。


では、耳鼻科専門医と遠隔診療に関してどのような話をしたのか?

LINE相手の耳鼻科医から掲載OKをもらったので、LINEをそのまま載せてみます!

まず、自分から

「耳鼻科でどんな遠隔診療ができる?」

という問いかけをしてLINEが始まっています。

 

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自分としてはこのLINEでのやり取りを通して

バリバリ最前線で臨床をしている医師と、

遠隔診療に関わっている自分で思いは一緒なんだって再確認できました。 

「患者さんに医療を提供する手段」、「医師としての診療の引き出し」として

遠隔診療を捉えてもらえたらと思っています。 

医療✕テクノロジーの未来について話した動画が公開されました!

 

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先月に開かれたG1ベンチャーのセッション

「テクノロジーが実現する医療イノベーション」で

モデレーターをさせてもらった動画が公開されました!

 

今をときめくヘルスケアビジネス企業の代表の

 株式会社メドレー 豊田剛一郎先生
 MRT株式会社 馬場稔正社長
 
株式会社情報医療 原聖吾先生

のお三方とともに登壇をさせて頂いたのですが、

お三方とは普段からとても仲良くさせてもらっていたので、飲み会の延長(?)みたいな感じでフランクに質問をさせてもらっていました。

 

とは言いながらもちゃんとモデレーターの仕事はしていて、

・なぜ医療現場はテクノロジー化が進んでいかないか
・医療分野にテクノロジーを入れていくにはどのようにすればいいか
・ヘルスケアビジネス領域は医療者でないと参入できないか
・ヘルスケアビジネス領域への参入障壁は昔に比べて下がってきているか?

などの質問をして答えてもらっています!

 

当日の参加者が医療系の業界の人だけではなかったので、

医療系の業界の現状と大局観を理解してもらうために最初3分くらいは導入で話をさせてもらっています。

(業界の人は知っている話なので心置きなく3分くらい早送りして下さい。)

 

自分自身とても勉強になる時間だったので、

お時間がある人はぜひとも見て感想を教えて下さい!

   
<G1ベンチャー>テクノロジーが実現する「医療イノベーション
~豊田剛一郎×馬場稔正×原聖吾×加藤浩晃
http://globis.jp/article/5576

globis.jp

【厚労省】2017年7月14日通知「遠隔医療について」の正しい内容

 

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遠隔医療に関する新しい通知に関して正確さに疑問がある情報が世の中に出回ってしまっています。
禁煙外来の完全遠隔診療解禁」とか「通知で初診から遠隔診療がOKになった」(これに関しては今までもOKです)とか。

間違った遠隔診療の通知内容に関して自分に山のように問い合わせが来ているので、今一度正しい情報を伝えます!!

 

○色々なメディアで遠隔診療のニュースが踊っているが・・・

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厚労省、遠隔診療に関するさらなる通知を発出 初診での遠隔診療が可能と明確化 | Med IT Tech

(2017年7月19日14:00引用)

 

というか、自分が手に入れた2017年7月14日の「遠隔診療について」通知をシェアします。

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このように今回の通知ではあくまでも昨日のブログに書いた

hiroakikato.hatenablog.jp

 

1 離島へき地以外でも遠隔診療可能なこと

2 今までの遠隔診療を実施するものの例示以外でも遠隔診療可能なこと

3 「保険者が実施する禁煙外来」に関しては柔軟に取り扱っても直ちに医師法違反ではないこと、直接の対面診療が結果的に行われなくても医師法違反にならないこと

4 電子メールなどであっても患者の心身への有用な情報が得られれば直ちに医師法違反ではないこと

が書かれていて、

 

禁煙外来の遠隔診療も完全遠隔診療可能ですが、あくまでも「保険者が実施する禁煙外来(自費診療)」であり、

健康保険による初診の遠隔診療の点数は今までから変わらず付いていないので、保険診療で初診から完全遠隔診療はできません!!

また、初診の遠隔診療に関しても今回の通知では全く触れられていません!!!

間違ったメディアの情報で流されずに「通知の原本」の確認をお願いします!!!

2017年7月14日、遠隔診療の新たな通知が発出!適切な遠隔診療の推進とは?

未来の医療として、遠隔診療があるとは思いませんか?

 

遠隔診療はPCやスマホの画面を通して、直接会うことができない患者さんとリアルタイムにつながって診察することができる診療スタイルです。

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元々遠隔診療は1997年(平成9年)に厚生労働省から通知が出て、直接会わなくても診察をしていいとされました。その後、その1997年(平成9年)の通知が2003年(平成15年)・2011年(平成23年)と改正されていました。

 

このような遠隔診療の変遷の中、2015年8月10日に医療業界で「遠隔診療が解禁された!」というニュースが踊りました。

「遠隔診療が解禁」という言葉だけ一人歩きをしていて、正しく解釈をされていない場合があるのでしっかり話をしたいと思います。

 

元々遠隔診療は1997年からしてもよく、しかし通知には「例示」と言うものも書かれていたため、通知に書かれていた疾患でしか遠隔診療はできないと考えられていました。

これが2015年8月に出た事務連絡では今までの遠隔診療についての考え方を「明確化」しただけのものだったのですが、「遠隔診療は例示のものに限らない」とも書かれていて、ここから「遠隔診療が例示以外のいろいろな疾患でもできる⇒解禁」というニュースとなったのでした。 

>遠隔診療の通知で挙げられていた例示

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またここで再度、遠隔診療のスタンスとして、「遠隔診療は対面診療補うもの」とされており、遠隔診療は通常行っている外来診療や在宅診療では解決できていない診療の弱点を補うものとして捉えられています。

 

その後、遠隔診療に関しては、2016年3月の医事課長からの回答、2017年3月の規制改革推進会議 投資等WGでの厚労省側からの発言を踏まえた2017年5月の規制改革推進会議 第1次答申での記述などから、再度遠隔診療の明確化として通知が発出されることとされていました。

 

そしてその新しい通知が2017年7月14日に発出されました。

 

内容としては、また「今までの明確化」なのですが

 

1 離島へき地以外でも遠隔診療可能なこと

2 今までの遠隔診療を実施するものの例示以外でも遠隔診療可能なこと

 

という今までにも書かれていたことに加えて、

 

3 「保険者が実施する禁煙外来」に関しては柔軟に取り扱っても直ちに医師法違反ではないこと、直接の対面診療が結果的に行われなくても医師法違反にならないこと

4 電子メールなどであっても患者の心身への有用な情報が得られれば直ちに医師法違反ではないこと

 

という新しい明確化の内容も書かれていました。

 

>3「保険者が実施する禁煙外来」の記述f:id:HiroakiKato:20170718105630p:plain

 

自分は遠隔医療学会の人間なので、広くは遠隔診療の推進と言う立場をとっているのですが、何でもかんでも対面診療が遠隔診療に置き換えるというのは危険と考えています。

医療の質として遠隔診療と対面診療では明らかに対面診療のほうが質が高いのは現状では事実ですし、あくまでもそのときに患者さんの有用な情報が得られている場合に遠隔診療は行うものだと考えています。
 

今回の新たな通知では「禁煙治療」と言うところがだけが初診から完全遠隔診療でもいいと言うことですか、他の疾患にも今後行えるという解釈は出てくると思っています。

 

一部のクリニックでは「薬を配送する」ということ目的としているような遠隔診療クリニックが出てきていて心配しています。

なかなか通院できない患者さんの重症化を予防する、医療との接点を増やすという意味での遠隔診療はいいと思うのですが、東京から北海道や九州の人にAGAの薬やバイアグラを処方するという遠隔診療の使い方は個人的にはどうなのかと思っています。

 

今回の通知でまた遠隔診療の話題が出ると思うのですが、未来の医療のために適切に遠隔診療が推進されることを望んでいます。

 

2024年に医師余りの時代が来るかもしれない?!模索した記録を残すために。

はじめまして。眼科医をしている加藤浩晃といいます。
 
自分は卒業して10年間、眼科で手術をしたり外来をしたりして過ごしていました。
昨年、大学から厚生労働省に出向しないかと言われて、2016年4月から1年ちょっと厚生労働省に出向をしていました。
 
厚生労働省で自分の担当していた部署ではないんですか、広く資料に目を通していた時に、自分の記憶に残った資料が一つありました。それは何かと言うと、「医師の需給推計の結果について」という資料です。
 

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これによると、医師の需要を3段階に見積もると、真ん中で推定をする場合は2024年ごろに、需要を大きく見積もった場合は2033年頃には需要より医師の供給が増えるということが書かれていました。
 
しかしこの医師の需給推定の結果については、今後当たり前になる人工知能や遠隔医療などや、様々なテクノロジーがもたらす医師の負担軽減については需給計算に考えられていませんでした。

人工知能や遠隔医療、そのようなものではなくても問診のICT化やちょっとした問い合わせのbot対応などテクノロジーの発展により医師をサポートするようなことが増えたら、医師の仕事は効率化できるわけであり、もっと早い時期に供給が需要を超えてしまうのではないかとも考えられます。

そんな時代、医師が余ってくるかもしれない2024年は、医師が臨床以外でも働く場面がでてきてても不思議ではないと考えています。

自分は眼科臨床は大好きなのですが、20年くらい上の先輩の医師が通って来たキャリア・成功事例は、今後の医師の将来、2024年くらいには役に立たないところも出てくるのではないかと考えています。
 
自分は2024年の医師の生き方を本気で考えてます。
 
この2017年に勝手に一人で2024年の医師の先生を始めて試行錯誤してみて、 臨床だけでない医師の働き方を模索し、経験した記録を残していこうと思っています。