ヘルスケアビジネスの新戦略 ~加藤浩晃の頭の中~

未来の医療はどうになっていくのか、そして医師の未来はどうなるのか。AIやIoTなどの第4次産業革命のテクノロジーによって医療現場は『医療4.0』として大きく変わります。加藤浩晃が未来に向けて考えていることを書くブログです。

「日本から海外の受かりやすい医学部へ」から「アジアから日本の医学部へ」

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今日(2018年1月5日)の日本経済新聞を読んでいたら、朝刊にこんなニュースが。

◎アジアから日本の医学部へ 学生を支援 厚労省     

www.nikkei.com


正直、自分自身、全くこんな動きがあるのを知りませんでした!!

現状では医学部受験が難しくて、日本の大学には入学できず、
ハンガリーなどの大学医学部に進んでそこで卒業し、日本の医師国家試験予備試験→医師国家試験をパスして医師になるというような「日本から外国の医学部へ」の流れの最中です。日本から外国の日本より入りやすい医学部に進むという学生は年々増えている現状です。

ということで日経のニュースの件について調べてみると、そもそもの発端は
2016年12月の自民党の国際保健医療戦略特命委員会で委員長の武見敬三参議院議員
「日本では将来的に医師養成数を減らすようになることを見据え、
医学部を廃校にさせずに国際的な役割を担えるようにつくり変える
という構想を示したことから始まっているようです。

国際医療福祉大学医学部がアジアからの留学生を受け入れる国際枠を定員20人で設置していて、途上国の中から優秀な人材を集めて日本で医師として育てて帰す仕組みのきっかけになるとされているようです。
http://narita.iuhw.ac.jp/igakubu/admission/index.html

これは「アジア健康構想」という、アジア各国の医療サービスや制度を日本が支援するという試みのもので、
首相官邸の健康・医療戦略推進室でも医療国際タスクフォースが設置され、非公開の議論がされているようです。

 

医療国際展開タスクフォース|健康・医療戦略推進本部


アジア健康構想自体は健康医療戦略室と厚生労働省が担当らしいの
ですが、
自民党内でも委員会をつくって提言を行っているようです。

◎アジア健康構想の推進に向けた提言(2017年12月8日)

www.jimin.jp


やはり日本では将来、医師養成がそこまで必要なくなることが見据えられていて、
医学部を廃校にしないような施策を考えているみたいです。

首相官邸の健康・医療戦略室と、厚生労働省がこの問題の担当だと記事にかかれていたのですが、
医学部の養成課程は文部科学省の所管なので、そこのところがどうなるのかというところにも注目しています。

また、追ってこのニュースの続報がわかったら共有します!!


年始のメールから感じた、時代が変わる足音

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今日は、時代が変わりつつあるなぁという話題。

もう10年近くお付き合いをしている医療法人の事務長さんから新年のご挨拶&質問のメールが来ました。



明けましておめでとうございます。

本年も宜しくお願い致します

ビットコインについてご相談させて頂きたく、連絡させて頂きました。

ビットコイン”に投資する際に信頼性の高い発行元についてご教示頂けないでしょうか。

お手数掛けますが宜しくお願い致します。

今後とも宜しくお願い致します。

 


この質問に対しての自分の返事はあとで載せるのですが、一番驚いたのは、ここまで仮想通貨は広がってきているのか!ということ。

もう感度の高い一部の人だけでなく、ごく一般的に仮想通貨に興味を持ち出し、仮想通貨の話をしているんだということで、とても大きな時代の流れを実感しました!

ちなみに上の質問に応えた自分の返事のメールはこんな感じです。

あけましておめでとうございます!
2018年も何卒よろしくお願い申し上げます!!

いきなりまさかのビットコインの話からでびっくりしました。
「発行元」というのは「取引所」ということでしょうか?

ビットコイン日本銀行券の日本銀行のような発行元がなく、
不特定多数のコンピュータによってマイニングして発行されたものです。
サトシ ナカモトによって提唱された2008年の論文
Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System
」(https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

をもとにビットコインコアという組織によって開発された仮想通貨の一つです。

そのため、おそらく聞かれているのは「ビットコインを始めとする仮想通貨の取引所はどこがいいか?」
ではないでしょうか。

仮想通貨の取引所としてはメジャーなものとして
ビットフライヤー
・coincheck
Zaif
があります。

それぞれ取引できる仮想通貨や取引手数料が違っていて、
株式の証券会社と違い複数の取引所を持つことも多いです。

そして、複数の仮想通貨取引所にするとデータの管理が難しいので
「Coinboard」などのサービスを使って、複数の仮想通貨取引所からデータを自動で取得し、
まとめて保有残高や試算の推移のチェックも可能です。
上で述べたビットフライヤー、coincheck、Zaifはもちろん対応しています。

こんなお返事でいかがでしょうか?

ビットコイン以外で購入する仮想通貨の選び方としては
色々と話すと複雑すぎて難しいんですが・・

加藤浩晃


2018年の仕事初めの日からこんなエキサイティングな出来事が起こって、いよいよ2018年がどこまで時代が変わっていくのか楽しみになってきています!

時代が変わる足音が聞こえます!!!

「複業医師」のススメ?!医師の将来の選択肢として。

お正月気分も終わりますね。

今日は奥さんと双子の子どもとショッピングセンターへ。

めちゃくちゃ混んでいて疲れてしまったので、上島珈琲で大好きなアイス黒糖ミルク珈琲を飲みながら、またまた未来の医療について物想いにふけっていました!

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こんなもの思いにふけりまくれるのも正月ならではです。

ということで、仕事は明日から通常運転に戻ります!!

で、以前にもブログで書いたかもなのですが、この年末年始に久しぶりの人に会うと、また、「加藤は何して生活しているの?」という質問をたくさんされました。

細かく答えてもわかりにくいので最近は
「1/3は眼科医、1/3は行政とかの仕事や政策立案、1/3は大企業とかベンチャー事業を手伝ったり、研修とかしている」
って答えているんですが、そこで思ったこと。

これってなんか端的にわかりやすく表現できないのかなぁって。

そこで思いついたのが「複業医師」ってコピーです。

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「副業」ではなく「複業」の方で、同時並行でたくさん色々なことをやっている医師ってことです。

元々このブログは、2024年に医師が過剰になると予想されている未来に、医師の新しい生き方を先取りして提案しようということで始めてみました。

→記念すべき第1回のブログがこちら!

hiroakikato.hatenablog.jp


医師って、医師法の第一条を引用すると、


第一条 医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

って書かれているんですが、目の前の患者さんの健康だけでなく「公衆衛生の向上と増進に寄与して国民の健康な生活を確保」しないといけない。
端的に言うと「社会を健康にする」ことをしないといけないと思っています。

その「社会を健康にする」ってことは、医療機関での診療という行為だけでなく、産業医として企業の健康を支えたり、大学などの教育機関で働いたり、製薬企業などで専門職として働いたりいろいろな道があると思います。

ただ、一つ提案したいのは診療であっても他の仕事であっても、その仕事って「一つ」に決める必要ってないんじゃないかっていうこと。

自分は診療が好きなので、診療は一生続けたいと思っている仕事なんですが、多動だからなのか、
大学院生の教育や企業研修などの「教育」もやりたいし、
大企業の「医療・ヘルスケア新規事業」にも関わりたい、
厚生労働省で治験推進室の室長補佐だったので、「治験や薬事」に関することや、行政経験を活かした「行政戦略」としてもやりたいし、
「日本の医療ベンチャーマニア」なので、医療ベンチャーについてくわしく話したり、投資先の評価とかもやりたいし、
自分自身もこれだっていう医療ベンチャーにはコミットしたい!
などなど、人生一回なので、色々とやりたいと思っています。

こういうのって表現しようとすると「複業医師」ってワードが出てきたんですがどうでしょうか?

自分の感覚だと、なんかまだ「ビジネス寄り」な臭いのするワードなんですよね。
そうではなく、単に「複数の仕事をしている医師なんだよ」って言いたいだけなんですが。
なんかもっといいワードがあるような気がしていて、自分は苦手なのでコピーを考えるのが得意な方は教えてほしいです!

今、自分はこの「複業医師」生活をしていてめちゃくちゃ楽しいです!!

それは一つは自分の好きなことだけやっているからなのですが、もう一つは「たくさんのところで自分が役立っている実感を感じられている」から。

人から「必要とされる」と幸せとかうれしいって思うんだなと実感しています。

おそらく2025年くらいにはこの「複業医師」をしている医師は増えまくっているんじゃないかなと思っています。

将来を考えるときにこの「複業医師」はいかがでしょうか?!

2018年に押し出したいテーマは「未来格差」に決定!

まだまだ正月ということで、普段とは違ったゆっくりした時間の中で2018年はどのように進んでいこうかと思いを巡らしています。

甘党でスイーツが大好きなので、家族と一緒に2018年の「スイーツ初め」をしたりしています。

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そんな時間の中で思いを巡らしながら、流行語大賞にもなるんじゃないかって感じで2018年のテーマが決まりました!

2018年に押し出したいテーマは「未来格差」です!!

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2017年は既存のそれまで育てられた価値観が崩れだした1年だったと思っています。

仮想通貨やシェアリングエコノミーの台頭、IPOだけでなくICOという手法など色々と例を上げたら出てくるのですが、
一番に肌感として感じている価値観の破壊は「所属の概念の破壊」だと思っています。

今までは組織としてしか戦う手法がなかったのが、インターネットの力で誰しもが世界に発信できるようになったことによって、「発見される」ようになってきました。

これはよく言っている「音楽業界は最先端」というところでは、
何年も前にミュージシャンがレコード会社に所属しなくてもiTunesYou tubeに曲を発表することができるようになったということと同じです。

そしてCDはAKBでも代表されるように、聞くものから握手会や総選挙の投票券という「手段」に変わっていったということも知っているはずで、そのような未来が他の業界でも起こることが「予測」されます。

情報格差」という言葉があるように、情報がないと正しく判断できず間違った方向に進んでしまうことがあります。
これと同じように考えたのが「未来格差」です。
未来に関する動きも、いたるところでサインが出ているにも関わらず、気づかずに生活してしまうと、未来を正しく判断できず間違った方向に頑張ってしまうことがあります。

「格差」という言葉はあまり使いたくないのですが、自分に対しての注意の意味でも「未来格差」という言葉を使っています。

未来を予測し、自分の望む未来を思い描いて、そのために今の優先順位を決めて、未来を実現するためにがむしゃらに働く。
そんな生き方をしたいと思っています!!

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2018年一発目のブログは新年の目標を公言します!!

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2018年、あけましておめでとうございます!!

このブログを読んでいる方には2017年も絶対にお世話になっていたのですが、今年もさらにお世話になると思っていますがよろしくお願いいたします!!


自分は2018年の年越しは神戸の奥さんの実家で過ごしました。
12月31日に奥さんの実家に行って、紅白を見て年明けして初詣をして、そして今は東京に戻ってきています。

初詣でおみくじを引いたところ、なんとだいぶ久しぶりに縁起がよく「大吉」でした!!

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ということで、2018年は2017年以上の飛躍の年にするべく、
新年一発目は新年の目標を全世界に向けて公言したいと思っています!!!

◯自分を発信する!
  2018年はブログ、Twitterを使って今まで以上に「発信」の年にしたいと思っています。「ブログを毎日更新」とかっていう目標を立てるわけではないのですが、今まで以上にいろいろな手段を使って自分の意見を世の中に伝えていきます!
「知られていなければ活動していないのと同じ」だということを肝に銘じて発信を頑張ります!

◯医療を良くしようとしている人をさらに応援する!
  2017年は本当に周りの人に助けてもらった1年でした。2018年が周りの人をさらに助けていけるような1年にしたいと思っています。自分の周りの頑張っている人、頑張っている医療ベンチャーをもっといろいろな人に知ってもらえるようにします!

◯医療業界をもっと知ってもらえるようにする!
  医療業界はさらにオープンイノベーションが必要だと思っているのですが、なかなか他分野からは医療業界独特のルール(?)なども存在して入りにくい業界だと思います。2018年は医療業界でない人向けに医療業界のしくみとか独自ルールを伝えることができる場を作ります!

◯デジタルヘルスラボをもっともっとオープンな場にする!
  デジタハリウッド大学院のデジタルヘルスラボですが、日本の最先端のデジタルヘルスの知見や人や経験が集まっているにも関わらず、「デジタルハリウッド大学」というところで医療業界からキワモノ扱いされたり、どうしても「内輪でやっている感」が拭い去れていないのではないかと思っています。しかし、何回も言いますが、デジタルヘルスラボの知見や人や経験は間違いなく日本のデジタルヘルス領域として一番です。2018年はデジハリにさらにたくさんの人を巻き込めるようにしていきます!

◯健康に気をつける!
  2017年は睡眠不足&結構深夜まで飲み会という不摂生な生活をしまくっていました。2018年は健康ということが大切という原点に戻り、「吐くまで飲みすぎない」ということを守ります。奥さんに言われているように人間ドックも今年は受診します。
 ここだけは数値目標で、2017年は36歳なのですが吐くまで飲んでしまったことが「4回」あったので、これを2018年は「0回」にします!さすがにいい大人になっていますので。
 教訓としては「飲み放題のワインは飲まない!」ということを学習しており、これを必ず守ります。元々焼酎はあまり好きでなく飲まないのですが、なぜかいいワインであっても赤ワインは年とともに体にあわなくなってきたので控えてみます。(ビールと日本酒だけにしてみます。)

ということで、いまだに吐くまで飲んでしまう破天荒な私生活も2018年は「発信」とともに暴露されてしまうことも予想されますが、
健康に気をつけつつ、周りの人にはお返しを、医療業界を知らない人には医療業界の道案内をしつつ自分ができることで助けて、医療業界がさらに盛り上がり、社会全体として健康になるように貢献したいと思っています!!

2018年がどうなっていくか楽しみです!!よろしくお願いいたします!!!

医療・ヘルスケア新規事業を立ち上げるときに知っておきたい3ステップ!

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2017年5月に厚生労働省を辞職した後から、6つの企業と計8つの医療・ヘルスケア新規事業に関わらせてもらっています。(2017年12月現在)

8つの新規事業を様々なフェーズで育てていく経験をしていく中で、新規事業が事業として成長するためには3つのステップを意識することが必要だということをなんとなく感じ出してきました。

その新規事業の成長の3ステップというのは
①仮説、②実証、③拡大という3つの段階です!

それぞれについてちょっと詳しく話していこうと思います。


<①仮説>

まず「①仮説」では、何よりもその事業・サービスが「誰の」「どのような」ことに対して必要なもので、喜んでもらえるかを明確にする必要があります。

よくある失敗例がテクノロジー先行型で、技術があるからサービスや事業をその技術をもとに実装してみようとしてしまうことです。
例えば、Deep Learningの技術があって、医療用画像(例えば眼底写真)があるから画像の診断ソフトウェアを作っちゃおうみたいなノリで作っちゃうやつです。
実際、眼底の自動診断ソフトウェアができたら「誰の」「どのような」ことを解決して喜んでもらえるのか。

眼底写真の自動診断ソフトは眼科医には必要ないし、では眼科以外の医師はどうかというと、あったらうれしいけどそんなに頻繁に使わないって感じなんです。あえていうなら糖尿病内科で眼底カメラを持っているところだったり、健診クリニックですが、必要としてくれる対象者はぐんと少なくなってしまいます。

「誰の」「どのような」ことを解決するのかがないものは、求められているサービスではないので事業としては成り立ちません。

ここまでの話は医療・ヘルスケア分野の話ではないのですが、医療・ヘルスケア分野の場合は、この「誰の」「どのような」に加えて、
・「医療現場」の現状に即しているか
・現在の「医療制度」で問題はないか
・「医療政策」で言われている世の中の流れとあっているか
の3点にも注意を払う必要があります。

一見、良さそうなサービスモデルであっても、医療現場や医療制度、医療政策とあっていないと事業としては成り立たなかったり、尻すぼみになってしまいます。

例えば、患者さんの集客に困っているクリニックがあって、そこに患者さんを送客することでキックバックをもらうというビジネスモデルを考えたとしても、
保険診療のクリニックの場合は「療養担当規則」の違反になりますし、
送客するためのサイトなどを作って個々のクリニックに送客するとなると、2017年に改正された医療法の広告規制に引っかかる可能性もあります。

この①仮説でする作業としてはまずはパワーポイント作成です。

よく行政で使われているようなパワポ1枚でまとめる「ポンチ絵」と呼ばれるものを、上記
・「医療現場」の現状に即しているか
・現在の「医療制度」で問題はないか
・「医療政策」で言われている世の中の流れとあっているか
という3点を確認しながら、「誰の」「どんなこと」を解決するかに意識して1枚作って、マネタイズのためのお金の流れを大まかに書き込みます。

そして後は背景となる情報をさらに集めたり、ヒアリングをしたりしながら仮説をより洗練させていきます。

ここでのポイントはそのお金の流れはあくまでも大まかなもので大丈夫だし、1パターンでなくてもいいということです。

現在存在しないビジネスモデルを考えようとしているものなので、細かいところが確定されなくて当然ですし、むしろ細部のところは問題ないです。
ざっくり、誰からお金をもらうのかというところだけでもいいかもしれないです。
このマネタイズポイントですら、途中で変わってしまうことがあります。


<②実証>

実証では①の仮説を実証実験を通して確認していくフェーズになります。

①出できた
「◯◯には△△という問題があるから、✕✕という方法で解決する」
という仮説に対して、実際に試してみます。

ここで押さえておきたいポイントは、できるだけ実際の場面と同じような感じで試すということです。
例えば将来は毎月課金をしてサービスを使ってもらおうと思っているのに、この実証実験では無料でサービスを行うということは本来の実証実験のフェーズでやることではありません。


無料で集まってきた人と、実際に課金をして集まる層では違う可能性がありますし、それだと、実証実験をしても「実際課金をしたら来ないかも」とかいうような「~だったら」というところが拭い去れず、また追加の実証実験が必要になります。

もちろん段階を踏んで、ヒアリングしたニーズがあるか確認するために無料→有料と2回実証実験をするつもりなら問題ありません。

実証実験のフェーズでは「赤字」になることを痛みと感じずにやることが大切です。
ただし、赤字を垂れ流すのではなく、一定予算を先に決めて、その中で赤字でもやるという「攻めの赤字」です。

②実証をやることによって、①仮説で作ったポンチ絵にお金の流れ必要な投資などを具体的な数字を持って書き加えることができます。

ここで注意したいことがあって、②実証で出てきた結果は「ありのまま」に考察をして受け止める必要があります。
どうしても自分が作った①仮説がかわいいので、少し歪んだ考察をしてしまって①仮説が正しいと証明することにやっきになってしまう場合があります。

本当はモデルとして成り立っていないのに、勝手な解釈でOKとしてしまうような。
しかし、それでは②実証をした意味がありません。

②実証では①仮説でのモデルがうまく行かなかった場合もそれが大事なんです。

「実際にやってみるとわかることを知る」ために②実証ではある一定の「攻める赤字」を行います。


<③拡大>

そして最後が③拡大です。

②実証で実際と同じような感じに限りなく近く実証実験をして、マネタイズとしても成り立つということがわかれば、投資をしてフィールドを拡大していくことになります。

その際に、他企業との競争や、チームのメンバーが増えると生じるマネジメントの問題が出てきたりします。

実証実験で確認したモデルを着実に面として広げていきます。


こうやって一旦まとめてみましたが、まだまだ自分も医療・ヘルスケア新規事業のプレーヤーで、日々考えながらどんなことに注意しながらやったらいいのか考え続けています。

ここでの考えはまだまだ未完成ですが、
少しでも自分の経験が医療・ヘルスケア新規事業プレーヤーの方々のお役に立てればと思っています!!

2017年、個人的10大ニュース!!

ブログをめちゃくちゃ書きまくっていますが、年末も押し迫ってきているので2017年の個人的な10大ニュースを一挙に発表していこうと思います!!

カウントダウン形式で第10位から!



【第10位】2017年の講演回数が1年で90回突破!

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なんと2017年は大小・企業やイベントなど各地に講演に呼んで頂いて、数えると94回講演をさせてもらいました!!
もう少しで100回だったというところはめちゃくちゃ惜しいのですが、
デジハリの大学院の授業から、Health2.0やG1ベンチャーといった大きなイベントまでめちゃくちゃ経験値が上がりました。
機会を頂いたところにはとても感謝しています!!

 

【第9位】DMMで「ヘルスケアビジネス研究会」のオンラインサロン開始!

lounge.dmm.com

2017年9月から始めたオンラインサロンですが、元々は地方で過ごしているヘルスケアビジネスに興味のある人、想定していたのは浜松で医学生時代を過ごしていた自分のような人に対して、東京では色々なヘルスケアビジネスの勉強の機会があるのでそれをオンラインで共有しようという試みからはじめました!
現在110名以上の大所帯になって来ていますが仲間感が強く、月1のイベントもメドピアの石見社長や産業医の大室先生、VALUの小川社長、MOA大学主催の今田先生、ホスピタリティワンの高丸社長などに講演してもらいFacebook Liveで中継したりしていて、正直自分が一番勉強をさせてもらっているような感じです!
コンテンツも日々考えて増やしていこうと思っていて、2018年さらに進化できるように楽しみにしています!



【第8位】日本眼科学会の戦略会議委員に就任!

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これも連絡がいきなりでめちゃくちゃびっくりしたのですが、2018年1月1日から日本の眼科医が全員入会している日本眼科学会の戦略会議の委員に就任させてもらうことになりました!
「次世代医療(AI、ビックデータ、遠隔医療)」がメインで、これからの未来の医療で当たり前になっているところの舵取りに加えていただけるのがうれしい限りです!
まずは任期は2018年&2019年の2年なのですが、デジタルハリウッド大学での最先端のデジタルヘルスの知見を眼科業界にも共有してお役に立てればと思っています!



【第7位】医療ベンチャーカオスマップ公開!

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2017年6月に公開した医療ベンチャーカオスマップですが、これが大反響で、全く知らないところから、遠くはシンガポール(!)から取材や話を聞きたいと連絡をもらったりして自分の中でとても大きな出来事でした!

mimir-inc.biz

元々、医療ベンチャーに対しては「趣味」でまとめていたことがこんな形で花開くとは思っていませんでした。デジタルヘルス学会では医療ベンチャーについてよく知っていることをいじられて「医療ベンチャーのストーカー」と言われたり。
これもADHDの成せる技なのだと思っています(笑)


実は自分のエクセルまとめでは日本の医療ベンチャーは500社以上まとまっていて、カオスマップは一部のところだけなんです。
日本には麻雀をしてうつ病を改善しようとしているベンチャーがあったり、まだまだ知られていないベンチャーはいっぱいあるので2018年はどこかでどさっと公開していこうと思っています!!



【第6位】Health2.0 Japan-Asiaに3年連続登壇!

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自分の中ではとても大きなイベント、「Health2.0」に2015年から数えて3年連続で登壇させてもらいました!
2017年12月開催のイベントだったのですが、5月くらいには登壇のオファーをもらい、めちゃくちゃうれしかったです。
最初の2015年は今みたいに色々なところで登壇したりしているわけでもなかったところを、Health2.0では登壇させてもらえてほんとうに感謝としか言いようがないです。
今年は過去最大にイベントとして盛り上がり、自分の中で年末の恒例行事になっているので、2018年もまた登壇として呼んでもらえるように1年精進しないといけないなと思いました。



【第5位】デジタルヘルス学会爆誕!!

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2017年12月19日に第1回デジタルヘルス学会が行われました!
既存の学会にはまだ早い「デジタルヘルス」に特化した学会で、デジタルヘルスラボ第1期生でホスピタリティワンの高丸社長を大会長に150名を超える参加者で、7つの分科会発表、慈恵医大の高尾先生の特別講演、デジタルヘルスラボアワードの発表と盛りだくさんのすばらしい会を行うことができました!
次回、第2回の開催は2018年12月23日に決まり、すでに実行委員会も立ち上がっています!
第1回を超える会になるべく企画を練っていますので、ぜひとも今から日程を押さえてもらえたらと思っています!!



【第4位】規制改革推進会議に登壇!!

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なんと、規制改革推進会議の医療・介護WGに2017年10月10日、2017年12月19日と2回も登壇をさせてもらってしまいました!!
遠隔診療の推進と言った話題で、3点規制改革をお願いした部分が2018年に向けて3点とも明確化なり対応なりしてもらえそうで、人生で2度とない超貴重な体験をさせてもらいました!!
国の資料に自分の名前が乗っているとは!という昔では考えられなかったことが現実に起きて、会議では普段講演でも全く緊張しない自分がカチカチになって発言したりしてしまっていました。
本当に貴重な体験でした!!



【第3位】日本医療ベンチャー協会発足!

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これは元々、恵比寿のインドネシア料理やさんで内輪の勉強会として発足した「医療ベンチャー協議会」を一般社団法人化したものです。
発足パーティーには厚生労働省経済産業省から来賓として挨拶もしてもらい150人以上が参加する盛大な会になりました!
当初の自分が厚労省で学んだ医療制度などや行政の知識を共有するというという主旨から、今は日本の医療ベンチャーに関わる政策提言をしたり、厚生労働省経済産業省総務省内閣府やAMED、PMDAとも話をする団体になるとは思ってもみませんでした。
2018年は医療ベンチャー協会として、オープンイノベーションの促進に尽力をしたいと思っています!!

 

【第2位】厚生労働省で学んだことを社会へ!!

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第1位と甲乙つけがたく同率1位みたいな気持ちなのですが、2017年の思い出として一生思い続けることは厚生労働省の官僚から医療をよくしようとするプレーヤーに戻ったことです。
厚生労働省ではこれからあ30年以上使えるんじゃないかという本当に大切なことを学びました。
一番今までの自分に足りていなかったことは「青臭い理想論だけでは社会は変えることができない」ということです。物事を変えていくには「順番」と言うものがあって、一足飛びに社会全体を思っているところには進めることはできないということです。
これは全く悪い意味ではないです。自分は厚労省に行くまで、行政を批判だけしていました。行政は何もわかっていないというような。
しかし、厚生労働省の中に入ると違いました。省内の多くの人は理想をもって仕事をしていて、その理想を、厚労省だと社会を健康にするために日本全体という大きな器を動かさないといけないので、10人や100人のグループの手法ではない大きな視点に立った動きをしないといけないということでした。これは自分が厚労省に行く前の一人のプレーヤーの視点からは全くわかっていない所でした。
厚生労働省には本当に本当にとても優秀な人達がいて、日本の将来を託したいと思える人も多くいました。
ただ、社会全体を健康にするには、「国」の視点だけではないことも同時に思いました。
自分は国からではない、「国とプレーヤーの両方の視点も持った存在」となって国と個々のプレーヤーをつなげたり、個々のプレーヤーに大きな視点を伝えたり、両方の視点を持った存在としての活動をしていこうと思っています!


【第1位】「未来はこちら側」デジタルハリウッド大学大学院 客員教授に就任!!

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何と言っても今年一番自分の人生が変わったと思うことは、2017年5月にデジタルハリウッド大学院のデジタルヘルスラボの客員教授に就任をさせてもらったことです!!

「デジタルヘルス」の領域では日本の本当に最先端の人や技術や情報が集まっているデジタルハリウッド大学院のデジタルヘルスラボですが、それを大学院のゼミとして始めていたお茶の水内科院長で特任准教授の五十嵐先生と苦手なところを補完し合う関係として、さらにデジタルヘルスラボを高めあう関係として就任させてもらいました!
なにより今までのブログでも書きましたが、社会から「変」と言われている、実は最先端の人たち、ADHDで多動な人たちが集まっているところで、自分にとってとても居心地のいい大切にしたい場所です。

毎月のゼミの授業では特別講演として各分野の最先端の人を呼んで講演してもらい、最新の知見を五十嵐先生と自分の教員自身もともに学びながら時代を作っている実感があります。本当に五十嵐先生には感謝しています。
デジタルヘルスラボからは第1期生の高丸社長のホスピタリティワンが1億円の資金調達、今年12月には第2期生の谷本社長の株式会社O:(オー)が約1.1億円の資金調達をして、ゼミ全体としては2億円を超える資金調達を行うという実も伴ったゼミになっています。
グロービス経営大学院ともデジタルハリウッド大学院は単位交換制度も始まり、2018年はさらにデジハリの注目も集まってくるのではないかと思っています。

デジタルヘルスラボのテーマである「未来はこちら側」

だんだん、こちら側の仲間が増えてきているのを肌で感じていて、2018年はデジタルハリウッド大学、デジタルヘルスラボともにさらに盛り上げていこうと思っています!!!


ひと思いに書いていたらめちゃくちゃ長いブログになってしまいました。

まとめると、2017年は本当に多くの人に助けてもらい、苦労もして喜びも多くて自分の今までの人生で一番と言える1年になりました!
本当に本当にありがとうございます。

2018年も「社会を健康にする」ことをミッションに「多動」を発揮して、実はクローンが何人もいるのではないかという疑惑が出るくらい動き続けようと思っています。
これからもよろしくお願いいたします!

長文を最後まで読んで頂き本当にありがとうございました!!!