ヘルスケアビジネスの新戦略 ~加藤浩晃の頭の中~

未来の医療はどうになっていくのか、そして医師の未来はどうなるのか。AIやIoTなどの第4次産業革命のテクノロジーによって医療現場は『医療4.0』として大きく変わります。加藤浩晃が未来に向けて考えていることを書くブログです。

これからは「ウェルネス専門医」が大切になる

 

近年、医療の世界では大きなパラダイムシフトが起きています。

従来の「病気を治す」という考え方から、「健康を維持・増進する」という予防医学的アプローチへと重点が移りつつあります。
この流れの中で、注目を集めているのが「ウェルネス専門医」だと思って取り組みを始めています。


ウェルネス専門医とは、単に疾病の治療だけでなく、個人の全体的な健康状態を包括的に管理し、最適な健康状態を維持するためのサポートを行う医師のことです。
その役割は、従来の医療の枠を超え、患者の生活習慣、栄養、運動、ストレス管理、睡眠などあらゆる側面からアプローチし、真の意味での健康を実現することです。

ウェルネス専門医が重要になる理由はいくつかあります:


1. 予防医学の重要性の高まり:

慢性疾患の増加に伴い、病気になってから治療するよりも、予防することの重要性が認識されてきています。ウェルネス専門医は、この予防医学の最前線で活躍します。


2. 個別化医療の進展:

遺伝子検査技術の進歩により、個人のリスク因子をより正確に把握できるようになりました。
ウェルネス専門医は、これらの情報を活用し、個人に最適化された健康管理プランを提供します。


3. ライフスタイル関連疾患の増加:

現代社会では、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどが原因の疾患が増加しています。
ウェルネス専門医は、これらの根本的な原因に介入し、ライフスタイルの改善をサポートします。


4. 統合医療の需要:

西洋医学東洋医学、あるいは代替療法などを組み合わせた統合的なアプローチへの需要が高まっています。
ウェルネス専門医は、これらの多様なアプローチを統合し、最適な健康管理を提案します。


5. 高齢化社会への対応:

高齢化が進む中、健康寿命の延伸が社会的課題となっています。
ウェルネス専門医は、年齢に応じた適切な健康管理を提案し、QOLの維持・向上に貢献します。


ウェルネス専門医の具体的な活動には、以下のようなものを考えています:


- 詳細な健康診断と遺伝子検査に基づく個別化された健康リスク評価
- 栄養指導や運動プログラムの処方
- ストレス管理技法の指導
- 睡眠の質の改善支援
- サプリメント代替療法の適切な活用アドバイス
- 慢性疾患の予防と管理


これからの医療は、「治療」から「予防と最適化」へとシフトしていくでしょう。
その中心的役割を担うのがウェルネス専門医です。

これは個人の健康増進だけでなく、医療費の抑制や社会全体の生産性向上にも寄与すると期待されています。


医療を志す若い世代や、キャリアチェンジを考えている医師や医療者の方々には、このウェルネス医療の分野に注目していただきたいと思います。

それは、患者さんの人生全体に寄り添い、真の意味での健康を実現するという、やりがいのある新しい医療の形だからです。

私たち一人一人が、ウェルネス専門医のサポートを受けながら、自身の健康に主体的に取り組むことで、より健康で活力ある社会の実現が可能になるのではないでしょうか。

これからの医療の未来は、ウェルネス専門医の活躍にかかっているといっても過言ではないと考えています!!